[レポート]re:MARS2日目Keynote前半 : Amazonの最新テクノロジーと未来

[レポート]re:MARS2日目Keynote前半 : Amazonの最新テクノロジーと未来

Clock Icon2019.06.06

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こんにちは、小澤です。

現地時間6/4-7の日程でAmazon re:MARSがラスベガスにて開催されています。 イベント2日目のKeynoteは前半はAmazon内でのテクノロジーの紹介、後半はゲストスピーカーによる各社のテクノロジー紹介となっています。 Keynoteは2時間半にわたる超大作となっており、前後半でのつながりはあまりないため、まずは前半部分のレポートをしていきます。

Keynoteレポート

始まってまず最初に登場したのがAmazon Worldwide Consummer CEOのJeff Wilke氏です。

AmazonにおけるAIテクノロジーの発展ということで、さまざまな領域で利用されています。

AI技術の話へと進んでいくわけですが、Amazonと言えばやはり誰もが一度はクリックしたりそこから購入したことがあるであろう、レコメンドシステムですね。 そんなレコメンドシステムに利用されている仕組みの話へと進んでいきます。

まずはレコメンドシステムの代表格とも言える協調フィルタリングです。 アイテムベースの協調フィルタリングによって2倍の改善ができたということですがこれはもはや使っていないようです。

続いて紹介されるのはディープラーニング登場初期のころの手法ですが、 これすらももう十分な性能を発揮するには時代遅れとなっているようです。

最新のディープラーニング手法を使って予測を行っています。

AmazonでのAI活用僚機として以下3つの革新的なテクノロジーが紹介されました。

  • Shopping
  • Delivery
  • Voice

Shopping

ショッピングの領域では、まず最初に紹介されたのがStyleSnapという画像認識を使って"その人にあった"服を提示してくるサービスです。

そして、続いて登場するのが、Amazonの「ショッピングにおける革新的テクノロジーと言えばコレ」となるAmazon Goです。 ここからはAmazon GoのVice PresidentであるDilp Kumar氏が登場します。

Amazon Goの何がすごいかは弊社ブログにあがっている体験記からもお分かりいただけるかと思います。

このレジなしの仕組みを実現するまでに達成しなければならない課題として以下2つをあげていました。

  • 店舗に入ったユーザの認識・トラッキング
  • 誰がどの商品を取ったかの認識

これらを実現した結果が紹介されていました。 まずはトラッキングです。

画像ではわかりづらいですが、実際の発表中には各人のアイコンがヌルヌルと動いていました。

もう一つ、商品を取ったことの検出も動体検出を使って実現している様子を公開していました。

こちらも実際には商品を手に取るさまが丸解りな動きの様子が紹介されていました。

最後に「これでAmazon Goが実現できるぞ!」というシステム全体像が紹介されました。 これで現地で参加していた人はみんな同じことができ...るといいですね!

ショッピング最後のテーマは「誰が」、「いつ」、「なにを」買うかとなります。 このテーマに対して登場したのがForcasting and cpacity planningディレクターのJenny Freshwater氏です。

このテーマに対して

  • 価格の柔軟性
  • 売れない商品の予測
  • 地域ごとの需要特性

といった要素、また

  • 新商品需要予測
  • 売上の季節性変動

を考えなければいけません。 これを従来はRandom Forestベースの将来予測で行っていましたが、Deep Learningベースのものに変えたことによってなんと正解率が15倍も向上したということです!

「ニューラルネットワークによって実現不可能な将来予測を可能にした」、という言葉は非常に印象に残るものでした。

Delivery

続いてのテーマははいそうです。オンラインショッピングサイトであるAmazonにとってこちらも非常に重要な要素である商品の配達についてです。 ここからはRobotics Vice PresidentであるBard Porter氏の登場となります。

"Amazonの倉庫"とものすごく巨大で効率化されている、というのは誰もが聞いたことのある話でしょう。 この巨大な倉庫で全世界への効率的に配達するために、シミュレーションを行って最適化しているようです。

また、以下のルンバ(?)のようにも見える機械が荷物を載せて倉庫内を縦横無尽に走り回っているようです。

Voice

続いてVoice、そうAlexaの世界です! AlexaのVice presidentかつHead ScientistであるRohit Prasad氏の登場です。

データ分析やAIの領域では"ユーザが実際に行った行動によって生成される"データや他人に漏らしてはいけない機密情報など使うことがあります。 そのため今回のre:MARSを含め、度々話題となる領域ですがAlexaではプライバシーを考慮した信頼性の高いし仕組みが提供されています。 それがこれです。

データとして活用されるとマズいことは忘れていただくことが可能なようです。 そんなAlexaさんは学習能力もすごいようです。 Alexaとどのような話し方でどのような会話をするかはひとによって異なる部分も多いかと思いますが、教師なしで自分自身が学習を行っているとのことです!

これで独身一人暮らしの私も家にEcho Spotがあるので寂しさに苛まれることはなさそうです。

さらにAlexaは防犯にも活用可能とのことです。 ガラスが割られた、煙が出たなどの際に伴う音を検知可能というわけです。

そんな至れり尽くせりなAlexaさんですが、さらに至れり尽くせりな進化を遂げる新機能"Alexa Conversions"が発表されました。 この新機能のデモは私も感動したのですが、すでに速報として記事が挙がっていますので詳しくはそちらをご参照ください。

ドローンによる配達技術

さて、ここで登壇者はJeff Wilke氏に戻ります。 ここまででもすでにre:MARSのテーマそのままという感じの未来感のある凄いテクノロジーが数多く登場していますが、さらにドローンにより無人配達技術の話が登場します!

ドローンを使って的確な位置へと荷物を届ける話となるわけですが、 以下のような飛んでいる最中に近くで動いている別な物体を検出しています。

また、以下は配達すべき場所周辺に人が入ってきた・出ていったを検出してます。

人が入ってくると黄色い枠が赤くなり、出ていくと再び黄色くなっていました。

そして、なんとこのドローンの実機が登場です!

写真だとスケール感がわかりづらいですが、実物は一般家庭にあるドローンと比較して結構大きく、大空を自由に飛び回りながら荷物を配達する様が目に浮かぶようでした。

こうして、最後まで未来感満載で前半が終了となりました。

おわりに

ただただAmazonってすごいな!という感想しか出てこないくらい、面白い話続きでした。 「今すぐ」ではなく「近い将来」の実用化に向けたものもありますが、すでにここまでのことができているというのは驚きです。

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